• Queensland

となりのホストファミリーと、Kenとの出会い

2025.05.08

はじめに

ゴールドコースト空港からホームステイ先へ向かう車内で、エージェントから「隣のホストファミリー先にも、約1週間前に来た語学学校が一緒のイケメンの日本人の男の子がいるよ。色々わからないことがあったら聞いてみて」と教えられた。その言葉が、思いがけない出会いのきっかけとなった。

出会いの瞬間

私のホストファミリーに挨拶を済ませた後、隣の家にも挨拶に伺うことに。そこには、笑顔で迎えてくれるご夫婦と、元気に吠える2匹のワンちゃん。その間から現れたのが、Kenだった。初対面の彼は、礼儀正しく、落ち着いた印象の好青年。お互い遠慮がちに「こんにちは」と微笑み、軽く自己紹介を交わす。その時は、「わからないことがあれば、彼に聞いてみよう」と思った程度だった。

日々の交流と絆の深まり

その後、Kenは語学学校へのバス通学の方法や授業について、親切に教えてくれた。私たちのホストファミリーはどちらも本当に良い方々で、予定が合う日には、私たち2人を一緒に車で学校まで送ってくれたり、学校が休みの日にはビリヤードやオーストラリアの有名なビーチや観光名所を楽しんで毎日が充実していた。

「ホストステイは当たり外れが大きいから期待しないほうがいい」という言葉を出発前によく聞いていたし、実際知り合いの中にはファミリーとの交流がなくて毎食1人で食べているという人もいた。こうやって温かく迎え入れてくれたホストファミリー(しかもお隣さんも)に恵まれたことは本当に幸運だった。

▲オーストラリアで人生初めてのビリヤード。

ビリヤードは、英語を使わなくてもリアクションや表情でみんなとコミュニケーションがとれるので仲良くなるきっかけになった。(むずかしすぎて、全然上達はしなかったけれど…笑)

時には、1時間ほどかかる学校から家までの通学路を歩いて帰ったり、私は犬が大好きなので一緒にお散歩を一緒にさせてもらい、その道中でKenとさまざまな話をすることで、自然と距離が縮まっていった。

▲学校帰りに近所で見つけたお昼寝中の「キバタン」。オーストラリアでは様々な種類の鳥を町中で見ることができる。

Kenという存在

後に、語学学校でKenがちょっとした有名人だと知ることになる。彼はオーストラリアに来る前に1年間デンマークで過ごし、英語ももう少しで語学学校の先生ができるレベルでペラペラの秀才大学生だった。それでも、英語が全くできない私を馬鹿にすることなく、いつも真剣にアドバイスをくれたり、私が彼らの英語がどうしても理解できなくて困っている時は助けてくれた。自分自身もデンマークで周りとの英語力の差で悩んでいたことを教えてくれた彼。年下なのに生意気だけれど、いつも自分の心に素直で、周りを助けることに躊躇がなく、常に高い目標に向かって進んでいく彼を尊敬し、私たちは良い友達になれていた。

心を軽くしてくれた、一通のLINE

ある日、英語力のなさに自信を失い、みんなの中で自分だけ会話についていけず、ただ愛想笑いをしている自分がどうしようもなく恥ずかしくて、孤独感でいっぱいになったことがあった。そんな時、KenからLINEで「もしキツくなったらこの曲をYouTubeで調べてみてください。元気をもらえると思います」とメッセージが届いた。その言葉に、本当に救われた。自分も踏ん張ったことがあるからこそ、人の痛みがわかるんだろうなと思った。

▲Coombabah Lakelands(クーンババ国立公園) 野生のカンガルーに会える人気スポット。

こうして偶然Kenと出会えたことは、これから続くオーストラリア生活で私に沢山の良い影響を与えてくれることに。続く_